起業、または法人化を検討している、といった方の中には「どんな法律知識を知っておいた方が良いのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、起業・法人化にあたって絶対に知っておきたい「会社法」について説明いたします。
目次
会社法とは何か
会社法とは法人を対象に、 会社運営を健全に行うために制定された法律 のことです。会社の設立から解散、組織運営や資金調達のルールなどが定められています。
会社法が改正されるということは、会社経営のルールが大きく変化するということになります。 なので起業や法人化のタイミングに関わらず、 常に注目しておくべき大切な法律なのです。
会社法の目的
ではここで、会社法の成り立ちと役割についてご説明します。
なぜ会社法が作られたのか?
会社法が制定される以前は
- 有限会社法
- 株式会社の検査等に関する商法の特例に関する法律
- 商法の第2編会社
の3つから、当てはまる法律に従って会社経営を行なっていました
しかしそのためには、3つすべての法律を深く理解した上で 「自社がどの法律に当てはまる形態なのか」 を選定しなければならず
“不便だ”
”もっと会社に関する部分だけまとめた法律が欲しい”
という声が絶えませんでした。
そこで2005年に、これらを一つに集約し 再編成した「会社法」が出来上がったのです。
会社法の役割
会社経営に対する柔軟性と機動力の向上を目的として誕生した会社法。
その役割は、大まかに以下の3つに分類することができます。
1. 取引相手を保護する役割
→取引を行う会社同士、互いに取引に必要な情報を開示しあうことを義務付けています。
2.利害関係者の権利利益を保護する役割
→互いに利益・損害がある関係において、会社制度を守りながら互いに利益を得やすい仕組みを作ることができます。
3.法律関係を明確化する役割
→法的な主張や訴訟について「いつまでに」「何を」必要とするのかを明確に定めています。
(量が多く、専門家でも全てを理解するのは難しいと言われています。)
会社法が活用される場面
私たちの身近で、会社法の影響がある例を紹介しましょう。
会計帳簿の保存期間
会社法第432条及び第435条において、 会計に関する帳簿及び計算書類は10年間保存しておかなければならない と定められています。
「紛失してしまいました」は許されません。
会社のお金に関する記録は、必ず10年分残しておきましょう。
募集株式を発行する場合
会社の運営に必要な活動の一つが「資金調達」です。
その中でも株式を用いた資金調達には「新株の発行」「自己株式の処分」が会社法第199条以降に定められています。
これは 誰でもいつでも株式を発行したり、特定の人しか株を保有できないような状態にならないように するために制定されています。
マイナンバーの法人番号
1つの会社につき、振り当てられるマイナンバーの法人番号は1つです。
そしてこのマイナンバーは、本社に対して通知されます。
これは
会社法第4条(住所)会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。
と会社法で定められているからです。
このように会社法では会社の安定・健全な運営に関する様々な決まり事が記載されています。
これから起業や会社運営を始められる方は、ぜひチェックしておくようにしましょう。